社会において誤解や軽視をされることが多く、いろんなことを諦めざるを得ないことが多い難聴の子どもたち。
しかし、周りが正しい知識を知らないだけのことがほとんどです。
難聴の子どもたちが、誤解されることなく良好な人間関係をつくり、「普通に」いろんな機会に挑戦でき、明るく楽しい未来へ進めるよう、ぜひ、サポーターとして力を貸してください!
1回1000円から応援できます。
「補聴器や人工内耳(※)をつけていたら、聞こえる人と同じように聞こえている」と思う人は多いと思いますが、
補聴器や人工内耳をつけても、聞こえる人と同じようには聞こえず、遥かに聞こえにくい状況です。
(※)人工内耳とは、手術により耳の中に電極を埋め込み、音を電気信号に換えて脳に送り言葉として認識できるようにするもの
音も小さく、難聴の種類によっては音が歪みますので、言葉としての聞き取りは非常に困難です。
聞こえを視覚的に見ると、下図のようなイメージです。
↑これは、聞こえる人のイメージです。
↑これが、難聴の人の聞こえ方のイメージです。
(もちろん、難聴の人の聞こえ方は一人一人違っていて個人差がありますが、イメージです)
↑これは、マスク越しに話されたときの難聴の人の聞こえ方のイメージです。
いかがでしょうか?
文章を確認しづらいと思いますが、イメージとしてはこのような聞こえ方なのです。
特に、マスクがあると本当に聞き取れなくなります。
難聴の人は、聞こえにくい声と一緒に、口の動きを併せて見て言葉を読み取ります。
ですのでマスクで口が隠れると、ただでさえ聞こえにくくなる上、口の動きがわからないので、ほとんど読み取れなくなってしまうことが多いです。
できれば、マスクは外すか、透明マスクで話してもらえると有難いです。
「聞こえにくい」というイメージは、聞こえる人が耳をふさいだぐらいとイメージされる場合が多いかもしれませんが、それより遥かに聞こえにくい状態です。
そして、そのようなイメージですと、聞こえないための配慮を依頼しても、「そこまでしなくていいだろう」と思われてしまい、なかなか対応してもらえないことも多くあります。
そうなると、当然会話を聞き取れないことが多くなるため、コミュニケーションが取りづらくなります。
「聞こえないんです」と伝えても、言い訳だと思われたり、「聞き取る努力をしろ」と言われるケースもあります。
「聞こえていない」のを、「聞いていない」と誤解されると、その人の印象は悪くなりますし、人間関係、友達関係にも悪影響が出てしまいます。
このような悪循環が古くからずっと続いており、難聴を取り巻く大きな問題となっています。
87.3%
これは、2016年に全日本ろうあ連盟が調査した結果ですが、差別経験ありと答えた人の割合です。
直接的ないじめなどの他、配慮をお願いしたが断られたという配慮不足が多くを占めています。
40%
2010年の第一生命の調査で、「補聴器をつけていても、会話を聞き取れるとは限らない」ことを「知らなかった」と答えた割合です。
しかも、回答者の75%は、周りに難聴の人がいた方たちでした。
5人に2人
日本全体では、10人に1人が難聴と言われており、75歳以上では、何と5人に2人が難聴です。
社会で見落とされがちな難聴ですが、実は、誰もがなり得るものでもあるのです。
さらに、「誰一人取り残さない」というコンセプトの元行われた、2021年の東京オリンピックでさえ、開会式のテレビ放送に手話通訳がつかない状況でした。
閉会式には、手話通訳がついて良かったのですが、非常によく見落とされてしまう問題といえます。
状況だけ見ると、非常に大変だと思われるでしょうし、実際に大変なことがよく起きています。
しかし、紐解くと原因はシンプルで、正しい知識が知られていないだけなのです。
我が家には、2014年に難聴の娘が生まれましたが、僕も、難聴と診断された時、
「でも、補聴器をつければ聞こえるんでしょ。大したことはないよ」
と思ったぐらいです。
知らなくて当然なのです。
なぜなら、このような情報を知る機会がほとんどないですし、難聴の人と接する機会も少ないことが大半だからです。
一方、能力は過小評価されがちで、仕事などでは、聞こえないのであればできることも少ないだろうということで、難聴の人に任せる仕事は補助的な業務が大半を占めています。
学校でも、聞こえないからできないだろうと、役割によっては任せてもらえない場合もあります。
しかし、意思疎通さえできれば、できることはもっと多くあります。
双方の協力と、ちょっとした工夫さえあれば、充分意思疎通ができるケースは多いのですが、こちらは「できない」と過小評価されることが多くなっています。
つまり、「できないことをできる」と思われ、「できることをできない」と思われており、まさに悪いとこ取りをされている状況が拡がっているというわけです。
このように、古くからずっと続いている問題なのですが、実は、
双方の協力とちょっとした工夫があれば、聞こえにくくても、会話をしやすくすることはできるのです!
つまり、正しい知識を知り、意思疎通がしやすい会話の仕方ができるようになれば、コミュニケーションの壁を取り払うことができ、お互いに楽しく過ごせるようになるのです。
ですので、正しい知識とコミュニケーションの取り方を学ぶ講座、アニメで知ろう!難聴講座を作りました。
【アニメで知ろう!難聴講座】
この講座では、
難聴の人の聞こえにくさを体感でき、
聞こえなくても、会話がしやすいコミュニケーション方法を身につけられます。
この講座を多くの学校で実施することができれば、難聴のことを正しく理解し、聞こえづらい友達とも自然にコミュニケーションがとれる子どもたちが増えていくはずです。
そうなれば、今はもとより、大人になってからも、差別的な関りをされたり、配慮を断られたりすることも減り、聞こえる人も、聞こえない人も、聞こえづらい人も、一緒に楽しく過ごせるようになるはずなのです。
だからこそ、この講座を多くの学校で実施していきたいと思っています。
少しでも多くの学校で実施し、1人でも多くの子どもたちに知ってもらいと思っていますので、この難聴講座は、学校での生徒向けに関しては、無料で提供する形をとりました。(交通費のみ実費をいただいています)
そのため、収益事業に加え、個人サポーター会員、企業スポンサーの方々の支えをいただき運営しています。
社会で誤解されがちな難聴について正しい知識を理解し、
聞こえづらくても会話がしやすくなるコミュニケーションができる子どもたちが増えてくる。
こうなれば、理不尽な誤解も解け、難聴の子どもたちも、いろんなことに前向きに挑戦できる機会が広がり、お互いに毎日を楽しく過ごせるようになるはずですし、未来の可能性も拡げられるはずです。
難聴の子どもたちの明るく楽しい未来をつくるため、ぜひ、あたたかいご支援をよろしくお願いします!
ご支援は、ご寄付という形で頂いています。
個人としてご支援くださった方を、”かけはしサポーター”と呼ばせていただいています。
年に1回みんなでかけはしトーク!
言葉のかけはしでは、年に1回、「みんなでかけはしトーク!」を開催します!
これは、かけはしサポーターやお知り合いの方と、全国オンラインでつながって、ざっくばらんに難聴関連の話をしましょう!という企画です。
日頃お世話になっているサポーターの方と直接お話しする機会をつくって、双方向でいろいろ話し、今後のかけはしの活動にもつなげていければと考えています。
正確な日が決まりましたら、イベント情報にもあげますし、サポーターのみなさまにはかけはしメルマガでお知らせしますので、どうぞよろしくお願いいたします!
活動報告メール・お便り
年に4回、活動報告をお送りします。
ご支援のコースによって、報告回数が変わったり、お便りをお送りしたりしています。
ご支援した子どもたちの様子、団体の活動の様子などを定期的に知ることができます。
幼保園や小学校、中学・高校、地域や企業へ向けても、難聴理解の講座を行い、難聴の理解を拡げます。
福岡雙葉学園小学校での難聴理解講座(21'10.25)
難聴・ろうの中高生や大学生が、働きがいを持てる仕事の選び方、聞こえる人とどのように仕事を進めていけば、お互い楽しくやっていけるかなどについて学び、仕事の選択肢を拡げます。
難聴者・ろう者が働く企業で、双方の話を聞きながら、お互いに過ごしやすく、成果を上げるための環境を整えたり、職域を拡げるサポートなどを行います。
団 体 名 : 一般社団法人言葉のかけはし
設 立 : 2021年10月
代 表 理 事 : 岩尾 至和
理事(広報) : 河原 美幸
所 在 地 : 福岡県福岡市
【難聴の子を持つ家族会そらいろの活動】
そらいろは、2017年に発足し、代表理事の岩尾が会長を務め、理事の河原が広報を担当している任意団体です。
2017年
発足。2ヶ月に1回の定例会を実施、継続中。
2019年
・福岡市で初となる民間の児童発達支援施設(スケッチブック)立上げに寄与。
・福岡市療育センターありんこ園と協働し、親子で読める難聴理解冊子「難聴の8つのおはなし」作成。
A4サイズに印刷し、8ページのミニ冊子になるものです。
2020年
・福岡市の加配制度(特別支援保育事業)における聴覚障がいの判定基準変更に働きかける。
(手帳を持っていない難聴児も対象にすることを実現。中度・軽度難聴も使えるようになった)
2021年
・福岡県乳幼児聴覚支援センターに協力。
・2020年末から難聴理解促進動画作成のためのクラウドファンディングを実施し、成功!
動画完成し、HP公開開始。
・FBS福岡放送「目撃者f」で、
「なんちょうなんなん」の特集が放送。
~難聴の子どもたちへ”優しさ”を~
11/28に放送された30分番組です。
2022年
・NHK Eテレ「ろうを生きる難聴を生きる」で、「なんちょうなんなん」の特集が放送。
~アニメが伝える難聴のこと~
1/29に放送された15分番組です。
言葉のかけはし代表理事の岩尾と申します。
2014年に難聴の娘が生まれ、聴覚障がいというものを詳しく知りました。
当時、インターネット上で調べると、「理解されない」、「いじめられた」などの言葉が溢れていて、一時期、心底気が滅入りました。
それでも、人生を楽しみ、前向きに生きている難聴者さんもいるということを知り、だったら娘もきっとできるはずだと前を向くことができました。
2017年に難聴の子を持つ家族会 そらいろを立上げ、メンバーからの要望に応えて行政に働きかけたり、難聴理解の活動を進めてきましたが、仕事の傍らでやるには収まり切れなくなり、2021年に一般社団法人言葉のかけはしを立ち上げ、聞こえの共生社会を創る活動に専念することにしました。
共感いただけましたら、ぜひ、あなたの力を貸してください。
どうぞよろしくお願いしたします。
福岡県議会議員
大田 京子 氏
岩尾さんは、難聴の子どもたちの未来について、誰よりも真剣に考え、積極的に行動を起こし、叶えたい夢は決してあきらめない、とても意志の強い方です。
私はその岩尾さんの子を想う親の優しさと強さに触れ、心を動かされた者の一人です。
岩尾さんとの出会いをきっかけに、平成30年9月福岡県議会の会派代表質問において、特別支援学校の幼稚部における放課後の受け入れ態勢の強化や、遊びを通じた実践的な療育の重要性等を訴え、行政の支援を強く求めました。
今後、「わかりづらい障がい」と言われる「聴覚障がい」への理解が深まり、障がいの有無に関係なく、全ての子ども達の未来が明るいものとなることを信じています。ぜひお一人でも多くの方にご賛同いただけますよう、私からもお願い申し上げます。